酵母に強く生きる愛をあたえる酒造り
府中誉酒造では、県内の米で酒を造りたい!という熱き杜氏兼蔵元である山内氏によって、茨木でも明治、昭和初期に酒造好適米としてもてはやされていて、今日では多くの名立たる蔵元も注目している“渡船(わたりぶね)”という酒造好適米を全国でもいち早く優良契約農家を自らの手で探し14gの種モミから復活させたことでも有名な蔵元である。
気になる全体的な酒質は、しっかり、しっかりとした米のそのものの旨みを大切にし、くどさを全く感じさせないお酒である。 また山田錦の受賞が当たり前とされている中で、平成8年に全国で初めて渡船で醸した大吟醸で全国新酒鑑評会で金賞を受賞。そこから、多くの蔵元が個性を大切にした旨い酒を造るために目をつけたお米なのです。 蔵の製品ラインナップには、酒米“渡船”をメインとした「渡舟」(わたりぶね)と季節限定で酒米“茨木産五百万石”をメインとした太平海(たいへいかい)があり、昔ながらの銘柄として地元で愛されている“府中誉”があります。 | |||||||
渡舟 純米大吟醸 生詰 これぞ!渡舟の集大成でもあるといっても過言でない最高峰のお酒です。 たった14gという種米を手にし栽培してくれる農家を探し、お酒造りができるまで増やしていき、そして、ようやく渡船で醸すことまでこぎつけ、さらに全国的な評価をいただけるまでの道のり・・・そんな人ひとりの思いが、日本酒関係者だけではなく、多くの日本酒愛飲者の方々から高いご評価を頂けたお酒です。そして、その渡船を使った酒質の高さは業界でも広まり、全国の名立たる蔵元も今では見逃すことのできない酒米として広まっています。 酒質は、この蔵の特徴とする香り系の吟醸ではなく、味・・すなわち米の旨みを重視した味吟醸タイプのお酒です。 程よい香り、口に含めば芯に太さを感じる渡船らしい旨みが口の中に広がり、余韻を残しながらも切れの良いお酒です。きっと、本質を突くこのお酒の良さは、飲めば飲むほどしみじみと感じて頂ける大人の味吟醸です。 |