燗をすると冷や常温では見えなかった味覚が見えてきます。それは冷や常温とはちがう日本酒本来のふっくらとした何ともいえない米の旨みであり甘みです。 但し、燗酒に不向きなお酒もありますが、生だから生貯蔵だから原酒だから、純米大吟醸だから吟醸だから燗酒には向かないということはありません。色々とお試し下さい。 それと電子レンジの燗と湯煎の燗を是非比べてみて下さい。必ずその違いがわかるはずです。 ≪お手軽燗酒≫ できるだけ深さがあり容量の大きな陶器製の器を用意する。 湯沸しポットをお湯をグラスを入れてもこぼれない程度まで入れる。 容器に張られたお湯の中にグラスを入れお湯の湯面と同じ高さまでお酒を入れる。 そして、待つこと1~2分お好みの温度になったらお飲み下さい。
【こんな楽しみ方】 燗をしていつしか冷めていった時に、思わぬ燗冷ましの美味しさに出会ったりもしますし、熱燗まで熱した後に程よい頃に美味しさに出会ったり、『フウフウ』といって熱い熱い燗酒が美味しかったりとします。とにかく1本のお酒を冷や→常温→ぬる燗→上燗→熱燗と色々とお試し下さい。『ちょっとお酒が重たいなぁ』と思ったら少しの加水をして燗してみて下さい。すっきりと飲みやすくなり体にも優しく酔い覚めもよく飲めますよ。 ≪ちょっと、奮発で・・・・美味しさと手軽さをゲット≫ 下記の写真のような大変便利で、お手軽価格の燗酒キットも発売されています。 それこそ、ポットから容器にお湯を入れ、待つこと2分程度で燗酒が美味しく楽しめます。 保温効果も高いので、美味しさが持続します。 右下のチロりは、錫製のもので確かにこれで燗酒をすれば、数段まろやかで美味しくなります。・・・がちょっと高価なのが難点かなぁ。 ≪燗酒には、こんなお酒が向いている≫ 瓶やラベルに記載されている製造日付に対して正しく理解をされていない方のために・・・・。 まず、大半の製造日付とは瓶詰時期であったり、蔵出し出荷日付であったりします。 たとえ10年前のお酒であっても、今日、瓶詰めされたとしたら今日の日付であったり、瓶貯蔵されていたお酒が今日、蔵出し出荷されたら今日の日付。 そんな風に記載されている製造日付にこだわるより、美味しいお酒を飲みたいと思うなら、製造からあなたのお手元に届くまでの製品管理にこだわった蔵・お店にこだわるべきですよ。 そして「燗」は、お酒を凸レンズのように膨らまして表現します。 よって若いお酒などは、角がもともと立っています。それを燗すると余計に角が目立ち舌に刺さるような刺激が生まれます。 昔から「燗酒は夏を越したお酒でないとうまくない」といわれている背景には、時を重ねて角がとれはじめたお酒だとその刺激感もまろやかさが増しているから角が気にならなくなるということと時が重ねることにより、旨みの奥深さも出てきたところを凸レンズの作用により、より一層前面に引き出し旨みが味わえるわけです。 さぁ、少しは「燗酒」を飲んでみようと思って頂けましたでしょうか。 同じ燗酒といっても、5度の違いで全然違う感覚になってしまうこともしばしばあります。ひとつのお酒を試される場合でも。ぬる燗から上燗・・・燗冷ましまでお楽しみ頂き、そのお酒のご評価をして頂ければと思います。 ≪燗酒の味わいもいろいろ≫ お燗にして風味がよくなるお酒を「燗あがり」する酒と言われます。一般的には米の旨味や酸が多く味のしっかりしたボディの強いお酒は燗して美味しいお酒と言われてます。 また、淡麗でシャープなお酒は人肌燗やぬる燗程度で楽しむのが一般的です。 よく勘違いされていますが、生酒だから大吟醸だから燗はダメという物差しを持っている方も大変多く見かけますが、決してだめだというではなく、それぞれのお酒が燗をして「燗あがり」するかということだとご理解ください。ただ、香りなどは失れることが多いのも事実ですが、冷・常温で見えなかった深い味わいが見えたりもします。 そして、開栓後時間がたったり、飲み忘れたりしたお酒を冷や常温で飲み「風味が落ちたなぁ」ということであれば、「もったいない」からといって嫌々飲むのでしたら、一度、ぬる燗で飲んでみて下さい。そこには新しい発見がきっとあるはずです。 燗酒になじみのない方は、 まず燗をした時に「ツーン」と鼻を突かないお酒で、喉越しの良いお酒からお試しください。 そして、徐々に米の旨味や酸が多く味のしっかりしたボディの強いお酒へと移行してみて下さい。それぞれのお酒には、冷も燗も含めて味わい深くなる温度帯があることに気づかれるはずで、きっと、ひとシーズンで「燗酒なんて・・・」といってた方も「燗酒」の美味しさが理解できるものと思います。 お薦め燗酒はこちらから お薦めのお手頃燗酒器はこちらから |