一軍初打席に監督に「満塁ホームランを打て!」と言われ、それを叶えてしまった杜氏一年生の脅威の初打席満塁ホームランのような平成20年度全国新酒鑑評会出品酒金賞受賞大吟醸です。
24歳の時から同蔵で酒造りに従事し、名人と呼ばれた南部杜氏佐藤勝郎氏のあとを引き継ぎ14年目で杜氏に就任。 就任と共に蔵元からの課題を早々に叩きつけられた成子嘉一杜氏。 その心境は、ままならぬものだったと話す。 | 杜氏一年目ということで、蔵の行方を占う酒造り。 「杜氏が変われば、酒の味は変わる。どんな酒を造っても前杜氏には、とても及ばない」と言われるだろう、けれど精一杯やるだけと覚悟を決めるだけでも大変なことであるにもかかわらず、蔵元から「全国新酒鑑評会において金賞を獲ってくれ!」といわれ成子嘉一杜氏は更なる挑戦いたしました。
大阪には工業技術センターなどの酒造りを指導する機関がない都道府県のひとつ。 造りに関しての情報収集に尽力し、新種の酵母の扱い方など、あちこちの研修会に参加し勉強に力を入れた。 |
毎日悩んでいる暇などなく、追われるようにひとつひとつ確実に作業をこなしていく日々。 その中でも出品酒に対しては「すべてをやり尽くしました。気力・体力・頭をフル回転させ、良いと思うことはすべてやりました。持てる力をすべて注ぎ込んだ。」とのこと。
そして、努力は真に実ったのです。 「金賞受賞と聞いたとき喜びがこみ上げ、苦労が実ったことは大変うれしく思うよりも、蔵元との約束を果たせたという安心感が湧いたという。しかし、出品酒に対しての苦労、作業の辛さが甦って、まもなく始まる酒造りに、またこの苦しみを味わうのか、という複雑な気分になりました」と成子嘉一杜氏は本音をポロリ。(彼らしいところが見え微笑みさえ感じた。)
そして、このお酒は、今までの浪花正宗蔵元の酒質とは違い、まっしぐらに全国新酒鑑評会金賞狙いだけのためにたったタンク1本のみ仕込まれた限定大吟醸です。
またここに今、評価されるお酒が彗星の如く生まれた瞬間です。 その記念すべきお酒を是非、一度飲んでみてください。 いつか、この快挙がすごいことに結び付いてしまうかも知れません。
今年は他にも実績として、成子嘉一杜氏は、大阪酒造組合品評会、大阪国税局鑑評会、南部杜氏鑑評会においても、すべての鑑評会にて金賞を受賞しています。 結果を残した今、巷では「天才杜氏」とも呼ばれるまでになりました。
今回の金賞受賞酒のお酒の酒質は、 香りは高く、最高等級の酒米兵庫産山田錦を65%ヌカした米の旨みが口に含むと押し寄せ、余韻も程よく何事もなかったように切れていき、グラスがついつい進んでしまいます。
成子嘉一杜氏とお付き合いさせて頂いて5年。 「なにかやるなぁ!」と思いながらも、まさか快挙を打ち立ててしまうとは・・・・。
成子嘉一杜氏ご苦労様でしたと言いたい。 21年度の造りも期待しております。
こうやって見守った蔵元が、杜氏が彗星のように大きな評価を得られる醍醐味は、名前や響きに左右されず、自らの味覚と感性と人柄や取組む姿勢を信じていた賜物であり、大変光栄なことがまたひとつみゆきやのページに刻まれました。
今までとは違う路線のお酒も造っていきたいと語る成子嘉一杜氏に期待をしたいと思います。
また、全国的にも名立たる有名地酒店でも高い評価を受けるほどの酒質とご判断ください。
また、多くの方にこのお酒を飲んで頂きたいということで、今回は、量り売り180mlをご用意いたしました。(但し、蔵元詰めではなく、当店において瓶詰めされたものとなり、ラベル等は付いていません。製造・酒質データーに関しての裏ラベルは貼っております。)
最後になりましたが、 この蔵元のことをご存じない方のために、先の洞爺湖サミットの際、世界のVIPをおもてなしをする日本酒として政府の依頼を受け浪花正宗 究極の技が提供された蔵元でもあります。
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