焼酎ブームも落ち着いてしまった今日。 多くの蔵元が「日本酒の追い風を感じる」といっています。2005から2010年頃には香り芳醇系のお酒が一世を風靡していましたが、近年の傾向として食事と共に楽しめる味わい系のお酒であったり、飲み飽きのしない超辛口であったり、さらに「普通ではもの足りない」ということで、個性あるお酒を探し求めている方が大変多く生まれてきていると痛切に感じています。そのひとつとして熟成酒、古酒などもひとつのカテゴリーとして着実にファンを獲得しているといっても良いでしょう。 そんなニーズに答えるべきお酒をご紹介いたします。 いったいお前は何者じゃ?だけどすごそうじゃの! 和歌山 吉村秀雄商店 熊野古酒 「古人(いにしえびと)」 老いた日本酒・・日本酒の解脱(げだつ) 確かに近年、日本酒の醸造技術の研究成果の高さから“まさかこの香りが・・この味わいが・・私たち日本人が主食としているお米からできたアルコール飲料とは思えないものが全国あちこちの蔵元から続出しています。 ”果物を連想させるフルーティな香り、優雅で高貴な含み香と舌に伝わる旨さと余韻をも楽しませてくれます。そのような香り芳醇なお酒に目を奪われがちの中で、静かながらもおとなしくも着実に“日本酒の可能性、新たなる美味しさ”として“日本酒の熟成酒のものさし”が大きく変わりつつあります。
確かに熟成香として評価される初期に発生する老香”は、お酒を口に近づけることによって“多くの方が心地の良い香り”ではないでしょう。 3年から5年程度の日本酒に発生する“老香”も時間を重ねていくうちに熟成香として変化していく前駆物質であるということがすでに研究で認められている。
◆あるがままの姿を見ていただこうということで、今回も蔵元に無理をお願いして透明瓶に詰めていただきました。(720mlもご用意しています。) 蔵元曰く、 過去の経緯からどのように軽く考えたとしても15年前のお酒であることは、公的にも間違いはなく、酒質データーについては近年の分析値なので全く問題のないものとなっています。このお酒については、普通酒としてなら販売可能ということで税務署のお墨付きも頂いていますのでご安心してお飲みください。 醸造年度 不明 使用酒米 不明 度数19度 日本酒度-1.5 酸度2.1 実際にどんなお酒なのかが全く分からずとも一番大切なのは酒質であります。 ご覧通りしっかりと熟成を感じさせるコゲ茶色。 もちろん香りも老香は通り過ぎ、紹興酒のような熟成香となっています。口に含むと米由来の甘味が超優しく舌にどしっとのっかり、19度という度数なんかまったく感じさせません。さらに中盤よりビター感が現れくどさのないキレを感じさせてくれます。 「これぞ!米のカラメルソース」「米から作った液体ブラックチョコ」「ジャパニーズ紹興酒」としてお楽しみ頂けます。 もちろん燗酒としてもお楽しみ頂けますし、中華はもちろんのこと、しっかり脂料理や揚げ物、味の濃いものとお楽しみ頂けますし、常温でチョコレートやバイラアイスなどともお楽しみ頂けます。 当店の事務員も甘系チューハイ派ですが、古人+チョコの組み合わせに「あっ!美味しい」と言っております。決して食べ合わせや飲用温度や口にするタイミングを間違わなければ、かならずや幅広い方にご理解頂ける味わいと思います。 画像は透明瓶となっていますが蔵元の都合により茶瓶に変更されました。ご了承ください。 |