【限定150本】 またまた和歌山に新たな彗星のような純米酒が誕生しました。
世界一統 純米南方山田錦無濾過生原酒1800ml
≪飲んでみました≫
無濾過生原酒といっても香り芳醇タイプではなく、しっかりとした旨みを感じさせるやや黄金色した酒色。
やはり搾りたての若い頃はまだまだ若さが感じられ、酸と辛さがやや前に感じられます。・・・・ただこの若さがゆえの切れの良さは、食中酒として脂もの、しっかりとした味わいの料理、素材力のあるものと冷からぬる燗で楽しめます。
またじっくりと年を越し熟成させ隠れている米の原石を引き出し、旨みと切れを楽しむもいいのではないかと予感させるお酒でもあり、その頃にはやはり温めて飲んでみたいものです。できればとっぴり燗でキリリとさせブリのあら煮か鶏の照焼でも食べてみたいものです。
山田錦 精米70% 日本酒度+5 酸度1.8 度数16度
和歌山の蔵元も、ぞくぞく世代交代の波が押し寄せています。
その中のひとつとして、世界一統も世代交代が行われました。
世界一統の命名者は、早稲田大学の創立者であり第18・17代内閣総理大臣をつとめた大隈重信氏。また、世界の博物学や民俗学に大きな業績を残した南方熊楠氏(みなかたくまぐす)は、この蔵の創業者である南方弥兵衛の実子にあたるという由緒ある蔵元でもあります。
また、特別に「全国新酒鑑評会」用に仕込まれたお酒ではなく、一般販売されている【超特撰特醸大吟醸<イチ>】にて平成16年より4年連続で「全国新酒鑑評会」金賞受賞している和歌山でも技の高さがある蔵元でもあります。
6代目蔵元の息子さんも帰って来られ蔵の一員として加わり、将来は蔵を背負っていくことになりました。その頃、密かに仕込まれ試験醸造されていた純米吟醸南方が好評のうちに完売。翌年、800本限定で一般販売されました。
さらに翌年には、純米吟醸南方の無濾過生原酒も発売。こちらも好評のうちに完売。
さて22年度醸造については、蔵にとり大きな事柄がありました。
これまで長きにわたり、蔵を支えてこられ、また数々の実績を積まれ残してきた井上杜氏が退社され、新しい次期杜氏として40歳の若手杜氏を迎えることになりました。またそれに伴い30代の蔵人も3名ほど入社され、一気に蔵人の年齢が30歳ほど若くなりました。
新しい杜氏は、京都で高品質な酒造りで定評があり13年連続金賞受の蔵元で修行を積んでこられました。その実績を活かし今まで以上の高い評価をうける純米酒を手掛けることにいたしました。
その第一弾として発売されるのが、55%まで磨き上げた長野産美山錦をつかった特別純米酒(青の南方)と同じく55%まで磨き上げた香川産オオセトをつかった特別純米酒(赤の南方)。これまでの米の滴、いち辛以上の評価を得られる新たなる純米酒。
またなぜ? 美山錦、オオセトなのかと製造頭さんに聞くと「個性を大切にしたい!」とのことでした。 確かに同感! ・・・・優等生山田で造れば、当然、優等生らしいお酒ができる・・・けれど、どこかで似通ったお酒ができてしまい個性がなくなる!・・・・まさしくその通りでもある。特に蔵の個性、米の個性を味わうべき純米酒というカテゴリーのお酒なのだから、同然のコンセプトと納得。(今後も色々なお米に挑戦してほしい。)