自分で育ててみませんか 黒松翁 秘蔵古酒13年者 まずは蔵元のコメントからお読みください。 古酒造りの動機・経緯 通常よりお酒は熟成により円やかさを増し旨味が乗ることから、弊社では1~2年寝かせて風味に丸みをつけて出荷することにしております。 弊社では4通りの熟成方法を採用しております。 ★低温度帯で熟成させる方法 ?-1度~-5度で氷温熟成 ・・・これは、超低温に保存することで、酒成分中のアミノ酸・エキス分等が古酒特有の(紹興酒風の)風味を出さないフレッシュな風味のままであること。かつ、凍らせて固体にしない、液体であることで酒中アルコール分子、水分子等がより小さな分子結合(水和結合)をとって(クラスターが小さくなる)丸い口当たりとなること。を目的とした熟成方法です。 ?やや低温(10~15度前後)で熟成 ・・・これは、お酒の液体の中、氷温より活発に分子結合が起こり、丸みがぐんぐん進むことと、成分中のアミノ酸・エキス分もゆっくりペースでカラメル化する(アミノカルボニル反応)ことで味乗りのする、口当たりに、トロ味感(とろとろ感)を味わえるように目指した熟成方法です。 ?壜内で熟成させるお酒。 ?タンクで熟成させるお酒。 ・・・弊社では一般に氷温熟成は壜貯蔵で。低温熟成は蔵内冷房タンクで。と熟成容器を分けています。 今後、タンクでの低温熟成後、氷温熟成に移行するもの、逆に、数年間氷温熟成後、低温熟成させるもの、あるいは氷温熟成後少し酒の液状をいじめてみる、常温熟成させる方法も試して。熟成条件とお酒の風味の関係を調べてみたいと思っています。 まず、低温でゆっくり、ゆっくり、結合(クラスタ)が小さくなった後、温度帯をやや上げた常温付近にしてみるのも、味を乗せる点では面白いかもわからないなあという発想です。現在、私の好みから、弊社では紹興酒的な風味を付けないため低温熟成を基本に考えております。 ということで、みゆきやとしては、色々な古酒を口にしてきましたが、やはり琥珀色や黄金色した古酒の方が大胆でダイナミックで古酒らしいというものさしで、蔵元から届いたものをさらにストレスをかけて、みゆきや流の琥珀色や黄金色した古酒造りをしています。
日本酒においての熟成酒・古酒に関しては、焼酎(蒸留酒)とは違って水とアルコールの一体化が進むだけではなく味覚成分数も増え続けることによって、色は段々と琥珀色になり3-5年で一般的な方が嫌味と感じる老香(ひねか)を感じたりしますが、そこを超えると段々とビターな紹興酒のような熟成香に変化してきます。 またその頃になると瓶内の味覚成分が飽和状態となり底に滓が出てきます。(砂糖や塩を水に溶かしてもある一定以上水に溶けずとごる状態) その滓はやがてこげ茶色となり、日本酒の解脱と呼ばれる神の領域に入っていきます。 たしかに万人が美味しいと感じる味わいではないかもしれないけれど、1日1日という時を重ねたからこその若いお酒では醸し出せない実に奥深い味わいをしています。 人と同じで険しい環境の中を育ったお酒は、腰折れもせず、自分という個性を醸しつつも、優しさと険しさの中で、もまれたからこその優しさと奥深さを感じて頂けるものと思います。 みゆきや流13年者古酒は完売いたしました。只今、険しい環境の中旅に出ています。2015~2017年に再発売予定。この分だとそれまでに店頭で売れてしまうかも。 お急ぎの方はお買上げ頂き、あなた流の環境を与えて、世界で一本の古酒を造ってみてはいかがでしょうか。 |