北大路魯山人(きたおおじろさんじん)といえば、知識のなさから私にとっては漫画「美味しんぼ」に出てくる“海原雄山”というあの偏屈親父のモデルというくらいでしかありませんでした。今回、色々と調べていると生涯自分の生き方と価値感を貫き、人間国宝までも辞退したという極みの人だったことを知りました。 大正10年に会員制の「美食倶楽部」設立、赤坂に高級料亭・星岡茶寮を設け、自らが顧問兼料理長となり、徹底的に食材から調理、料理にこだわり、盛りつける器まで極めなければ気が済まないという方だったみたいです。まさしく海原雄山そのものだったのだと気づきました。 その名前をつけた東山酒造特別純米魯山人は、京都の酒造好適米「祝」を使用。昭和8年~21年にかけて奨励品種となりましたが、戦後の食米増産のため作られなくなり、 |
東山酒造特別純米魯山人に海原雄山というイメージを重ね合わせて口にしてみました。
◆香りも純米ながらも穏やかながらも貴賓あるものが感じられ、含んだ時の口に広がる香りも素敵です。
◆60%という吟醸クラスの高精米らしい透明感と喉越しの良さが感じられました。
◆米の旨みは邪魔にならずも腰折れのない芯のある旨みとして優雅に感じさせてくれます。
◆中盤からおとずれる爽快感は、料理を引き立ててくれることを素直な形で感じて頂けるものと思います。
◆最後の最後に“海原雄山”の芯のある原酒ならではの米の力強さが、そうだ忘れてたよというように戻るかのように感じられました。
最初からインパクトを醸しだす威厳を感じる海原雄山というよりも、孫の前でしか見せないあの優しい顔をしたおじいちゃんとしての海原雄山というイメージのお酒です。
【こんな風に楽しむために仕入れています。】
通年販売されている東山酒造特別純米魯山人は、原酒(度数18度)となっています。そのためどうしても◆度数が気になる◆喉越しが重い◆さらりと口にしたいという要望に答えるため、この時期しか発売されない15度バージョンを仕入しています。まだ適熟域とはいえない酒質となっているため、じっくりと時を重ねて飲まれたとしても十二分に楽しむことができます。
さすが東山酒造らしい正統派の純米酒らしいお酒でした。
取扱店も限られためったに巡り合うことのない味吟醸造りの純米酒のひとつです。
度数:15-16度 精米歩合:60% 祝100%