東山酒造 魯山人特別純米 北大路魯山人(きたおおじろさんじん)といえば、知識のなさから私にとっては漫画「美味しんぼ」に出てくる“海原雄山”というあの偏屈親父のモデルというくらいでしかありませんでした。今回、色々と調べていると生涯自分の生き方と価値感を貫き、人間国宝までも辞退したという極みの人だったことを知りました。 大正10年に会員制の「美食倶楽部」設立、赤坂に高級料亭・星岡茶寮を設け、自らが顧問兼料理長となり、徹底的に食材から調理、料理にこだわり、盛りつける器まで極めなければ気が済まないという方だったみたいです。まさしく海原雄山そのものだったのだと気づきました。 その名前をつけた東山酒造特別純米魯山人は、京都の酒造好適米「祝」を使用。昭和8年~21年にかけて奨励品種となりましたが、戦後の食米増産のため作られなくなり、 |
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再び昭和30年から栽培されるようになりましたが、他の幻の酒米と同じように稲の背が高く倒れやすく生産効率が悪い米ということで昭和49年以降姿を消してしまいました。そして再び姿を現したのは昭和63年改良が重ねられて平成4年に20年ぶりに酒造好適米「祝」が復活したのです。 もともと魯山人は原酒が定番。どうしても原酒の重たさをなくし、もっと軽やかな魯山人が飲みたいというお客様のために加水バージョンが追加されました。 祝いの貴賓ある高精米らしいなで肩の雑味のない旨みと15度バージョンならではのライトな口当たりと喉越しの良さと小川のような後口の余韻は、和食全般から白ワイン系にあう洋食を冷から燗酒までお楽しみいただけます。 艶やかなお酒ではありませんが、幅広い料理とも相性が良くちょっと贅沢な大人の晩酌酒としてお楽しみください。 |