土の中にある野生酵母のお酒、口にしたことありますか 和歌山 新宮 尾崎酒造 熊野紀行山廃純米
熊野古道酵母全体の酒質は、 野生酵母らしい洗練されていないゆえの個性ある酸にあります。日本酒特有の熊野古道特有の爽やかな酸は、お酒だけを楽しむというより、白ワインの酸の効いた辛口のようにやや濃いめの味付けの肴や脂ののった魚介などとお試し頂ければと思います。 気温の高い夏などは爽やかな喉越しを楽しむために、ロックや炭酸割りやひと口で飲みきれる量を冷凍室で約30分程度キンキンに冷やして、とりあえずの口洗いのお酒などにもお試しいただければと思います。 またチーズやホワイトソースと共にぬる燗でお試しいただくことも是非一度試してください。 《エピソード》 蔵元営業マンにとっては、このお酒は「売りづらい」といわれているみたいで、ある意味私にとっては「かわいそうなお酒」なんです。そのため仕込み量も超小仕込みのお酒となっています。また杜氏にとってもチャレンジのお酒でもあり、その想いと楽しみ方をしっかりと飲み手のみなさんに試飲をしていただき口にしていただくと辛口白ワイン派の方には気に入っていただきお買い上げいただけます。 たしかに飲み手を選ぶお酒だけではなく、取り扱う酒屋を選ぶお酒でもあることは間違いない事実でしょう。けれど、そんな手間がかかるお酒を当店として「かわいいお酒」として、またこの世に生まれた以上このお酒を花道で「天寿」させてあげたいと思っているお酒です。 そして三蔵が熊野古道酵母のお酒を造られていましたが、今は悲しいかな尾崎酒造のみが頑なに造られています。頑張れ、なくすな・・・ご当地らしいお酒を。 |