酵母に強く生きる愛をあたえる酒造り
府中誉酒造では、県内の米で酒を造りたい!という熱き杜氏兼蔵元である山内氏によって、茨木でも明治、昭和初期に酒造好適米としてもてはやされていて、今日では多くの名立たる蔵元も注目している“渡船(わたりぶね)”という酒造好適米を全国でもいち早く優良契約農家を自らの手で探し14gの種モミから復活させたことでも有名な蔵元である。
気になる全体的な酒質は、しっかり、しっかりとした米のそのものの旨みを大切にし、くどさを全く感じさせないお酒である。 また山田錦の受賞が当たり前とされている中で、平成8年に全国で初めて渡船で醸した大吟醸で全国新酒鑑評会で金賞を受賞。そこから、多くの蔵元が個性を大切にした旨い酒を造るために目をつけたお米なのです。 蔵の製品ラインナップには、酒米“渡船”をメインとした「渡舟」(わたりぶね)と季節限定で酒米“茨木産五百万石”をメインとした太平海(たいへいかい)があり、昔ながらの銘柄として地元で愛されている“府中誉”があります。 | |||||||
呼び名は本醸造・・酒質はれっきとした吟醸ですよ・・・ 府中誉 太平海袋しぼり本醸造 まずは本醸造と吟醸の違いから・・・・ 左を本醸造 左を吟醸 そして太平海本醸造 精米歩合70%以下の白米⇔精米歩合60%以下の白米⇔精米歩合55%の白米 米麹および水と醸造アルコールで造った清酒⇔左に同じ⇔左に同じ アルコール添加は重量比でおよそ1/10以下⇔左に同じ⇔左に同じ 発酵方法特になし⇔低温発酵⇔左に同じ 香り特になし⇔吟醸香と呼ばれる華やかな香り⇔左に同じ 完全に実は吟醸なんです。 あえて【能ある鷹は爪を隠す】という蔵のパフォーマンスなのです。 そうなんですよ。実は蔵として言いたいのは「名前や響きということにこだわらず、酒質で選んでほしい」という願いも含まれているゆえに本醸造として名打っているわけです。 だから、れっきとした吟醸としてご判断ください。 また発酵を終えたモロミ(にごり酒のように粕部分とお酒が混ざっている状態のもの)は、作業効率を上げるために、やぶたというアコーディオンのような形をした搾り機にかけられ、お酒と粕を分離しています。 けれど、このお酒は、昔ながらの手間暇のかかるモロミを酒袋に入れて槽という器具を使って搾られます。そのため、同じお酒であっても、口当たりが大変やさしくなっています。 吟醸といっても香り重視のお酒もあれば、旨み重視の吟醸もあります。 太平海袋しぼり本醸造は、香りはさほど高いものではなく、柔らかな旨み重視のお酒です。 くどさを感じさせない切れとお米の旨味と喉越しの良さと理解しよい酒質をお楽しみ頂けるお酒です。 11月は、搾りたてのフレッシュ感を味わい、日々、冷蔵庫の中で熟成され変化する酒質をお楽しみ頂ければと思います。 旨みを楽しむために、冷やしすぎにご注意。常温・ぬる燗もお楽しめ頂けます。 原料 茨城産五百万石 度数 15.5度 精米歩合 55% 日本酒度 +4 酸度 1.3 |