地元食材を使用した紀州・和歌山らしい、熊野らしいクラフトビールができないかと考え、たどりついたのが日本一の紀州梅をつかったビールでした。
その想いを胸に、ひたすら梅果汁を探す旅に。
しかし、糖で抽出した「梅シロップ」は見つかるければ、なかなか「梅果汁のみ」になると見つかりませんでしたそれもそのはず。柑橘のように水分量が多いと果汁もたくさんとれますが、 |
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梅の果肉から果汁を絞ったとしてもほんのわずか。1Lのストレート果汁を搾るためには大量の梅が必要になります。コスト面においてもなかなか市場に出回らないのも納得です。探し続け、ついに、紀州産梅100%、そのうち南高梅90%と贅沢な梅果汁に出会うことができました。
そして、熊野らしいビールをつくりたいと片田舎の小さな酒屋の想いを形にしてくれたのが、京都の(株)黄桜さんです。
高い技術力と優秀な博士号をもつ研究者・技術者の方たちの試行錯誤の上、ついに高品質な紀州梅ビールが誕生しました!
ご当地世界遺産熊野にふさわしい「和歌山らしい、紀州らしい、熊野らしい・・ご当地素材」が浮かびました!!
それは「梅」です!!もちろん日本一の紀州産の梅!!
≪簡単には見つけられない日々≫
色々と探し回れど、糖で抽出した「梅シロップ」は見つかるけれど、中々梅の果汁だけとなると見つからない!当然の話である!
梅の果肉から果汁を搾ったとしても、柑橘果汁のように水分が少ないことから1Lの果汁を搾りだすのに、どれだけの梅が必要と考えたとき、どれだけ高価なものか、作ったとしてもどれだけの市場性があるのだろうと現実性がみえ、中々出会えないことにも納得・・・・。
それもなんと梅の王様といわれている南高梅の果汁を90%もたっぷり使った梅果汁で、近代的な技術によって果汁の下処理をしたものでした。
その下処理とは、通常お酒と果汁を混ぜると比重の違いから時間がたつと分離します。しかしこの梅果汁は分離せずいつまでも、お酒ときれいに混ざりあっているのです。(ここもスゴイ!!)
だからよくあるリキュールなので、お酒と果汁が分離している状態が起こらない!
≪これならいけるかも・・・・。≫
早々にその果汁をこれまで熊野めぐり麦酒でお世話になっている京都(株)黄桜さんに送り、梅果汁の品質検査分析などを依頼。
後日「この品質なら沈殿、分離、アルコールやビール成分との成分同志の干渉もなく共存可能でビールをつくれるだろう!」というお墨付きをいただき試作品づくりに着手。
※右写真→
果汁とお酒の比重が違うと果汁分が上部に浮いたり、沈殿したりし味わいの均一性にかけたり、変色の原因につながります。しかし紀州梅は、沈殿すること、上部に浮遊することもなく、長期にわたる変色もなくお楽しみいただけるのは醸造技術の賜物です。
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≪あっという間に、試作品完成≫
これまで色々な地産商材をつかって、ご当地クラフトビアをつくりあげてきている実績とノウハウをもつ(株)黄桜さん。アッという間に試作品完成!!
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フルーツビールというとイメージ的にどうしても「甘い」「女性の飲み物」ということが先行されてしまう。そこでお父さんたちにも口にしていただけるよう、また甘味が料理を邪魔しないようにと味わいのバランスを色々と整えました!
実際には酸味も眉をしかめのようなことはまったくなく、梅酒程度の穏やかで爽やかさを感じる酸味。もちろんフレーバーも楽しめワイングラスに注げば泡までかわいいピンク色。泡もクリーミィーで後味にビールのおだやかな苦味を感じていただけます。ついに自らも納得の熊野めぐり-紀州梅の完成です! |
≪品質検証≫
そうはいっても色々な問題が次々と浮上
実際には、試作品も出来上がりましたが単に果汁を混ぜ込んだからといって、ご家庭で、飲食店でその時に作り、その場で飲まれるわけでもないことから品質安定性と安全性の問題をクリアーしないといけません。
≪試作品を数ケ月冷蔵保存の結果≫
〇果汁沈殿、果汁とビールの分離はありません。
〇色の変色もない。
〇味わいも問題なし。
〇ガス感も問題なし。
〇果汁を混ぜているのにもかかわらず、沈殿やにごりを抑えて品質安定期間が5ヶ月というものをつくり上げていただきました。
〇賞味期限5ヶ月を経過したものを試してみましたが、香り、色合い、味わい、ガス感にわたり、なんの不自然感のないものとして楽しむことができました。
〇その後1年間保存したものも検証いたしましたが、まったく問題ありませんでした。
化学的な処理をせず問題なしということで蔵元の歴史と人々の積み重ねで生まれた技術って本当にすごいと驚くばかりです。
〇安全で安心、さらに高品質な商品をお届けするには、高い技術力は外せません。(株)黄桜さんには、何人もの博士号をもつ研究者の方々もいらっしゃいますし、さらに力強いのはビール部門の工場長も農学博士号の称号をもつ技術者であります。
もっと㈱黄桜さんの企業姿勢や
これまでのビールづくりに関してはこちら→ |
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